薬剤科の紹介

 

診療協力部・薬剤科には現在3名の薬剤師がおり、医療チームの一員として、患者さまが安全で適切な薬物治療を受けられるよう常に努力しています。

具体的には、入院中の患者さまのお薬の管理(重複投与や飲み合わせのチェック、副作用の確認など)や処方された薬を正しく服用・使用していただくための説明、院内の医薬品の品質管理、他の医療従事者に対し薬の安全使用に関する情報提供などを行っています。

スタッフの人数

3名

NST(栄養サポートチーム)

当院では、2011年3月よりNST(栄養サポートチーム)を立ち上げ、2名の薬剤師が医師、管理栄養士、看護師、事務の専門スタッフとともにチームに参加し、それぞれの職能を生かして患者さまの栄養状態を検討・改善できるよう活動しています。

住民勉強会

当院では年に数回、住民勉強会を開催しています。薬剤師として、地域の皆様に知っておいていただきたい薬についての情報を提供しています。

患者さまへのおしらせ

処方箋の有効期限について

当院では外来患者さまには院外処方箋を発行しています。院外処方箋には有効期限があり、発行日より4日間です。4日以内に必ず調剤薬局でお薬をもらってください。

お薬手帳について

お薬手帳は病院や診療所で処方された薬の名前・量・日数・使用法などを記録する手帳です。過去に経験した副作用やアレルギーなどについても記入できるようになっているので、薬の情報管理に有効です。

かかりつけ薬局について

かかりつけ薬局を決めておくと、複数の医療機関から処方された薬の薬歴(記録)を管理し、飲み合わせや重複を確認してもらえるので安心です。

入院される患者さまへ

入院当日、今現在服用している(使用している)すべてのお薬を持参してください。
お薬手帳や薬の飲み方が書かれた袋や説明書もお持ちください。

知っておきたい薬のキホン・・・よくある質問

Q 薬の服用時間、いろいろあって面倒くさい。全部食後じゃだめですか?

A 薬をもらうと、薬の袋にいつ飲めばいいか書いてありますね。

kusuri薬を飲むタイミングの指示は、お薬の効果がスムーズに発揮されるよう、その薬の特徴に応じて決められています。
『食後』とは食後30分以内を目安に飲んでくださいという意味です。
胃に食べ物が入って消化活動が活発になり、血流が良くなるので薬が吸収されやすい、また、薬が食べ物によって直接胃壁に付かないため胃粘膜を荒らさない、飲み忘れが少ないというのも大きな理由です。
『食前』は食事の30分位前、という意味です。
食事による影響を避けたい薬や、期待する時間に薬の作用があらわれるよう飲む場合があります。たとえば糖尿病の薬など、食後の血糖値の上昇を抑える目的で使う場合、食前に飲むと食後、血糖値を下げるようにはたらくという具合です。
食後や食前と聞いていつ飲むのかわからないという方はあまりいないと思いますが、『食間』、はわかるでしょうか?『食間』は言葉としてなじみがなく、食事中に飲むことと勘違いされている方もいらっしゃいますが、食事と食事の間という意味です。食後2時間くらいを目安にして頂ければよいと思います。
 『食直後』は食べ終わったらすぐに薬を飲む、『食直前』は薬を飲んだらすぐに食べ始める、と思ってください。
どちらもあらかじめテーブルに薬を用意しておくと飲み忘れの防止になります。
 『寝る前』は睡眠薬や便秘薬などの薬に指示されます。
睡眠薬は布団に入る少し前に服用してください。
飲んでから時間がたって、薬が効き始めても起きて動いていたりすると、転んだりして危険な場合がありますので注意してください。
 『頓服・屯用』、これもなじみの薄い言葉ですが、これらは症状、たとえば痛い時、熱の高い時、便秘の時、咳のひどい時、など指示された症状がある時だけ飲んだり使ったりする薬のことです。
飲み薬の場合は頓服、塗り薬や坐薬など外用薬の場合に屯用という言葉を使います。
1日に何回までと決められている場合はその回数を守ってください。

Q 薬を飲み忘れたときはどうすればいいですか?

A 目安としては、飲み忘れに気がついた時が、もともと飲むはずだった時間より、次に飲む時間に近い時は、忘れた分はとばして下さい。

例えば1日3回飲んでいる薬を、お昼に飲み忘れた場合、気がついたのが5時ごろだったとします。次の服用時間である夕食後まで、あと2時間くらいですね。この場合は、1回分を飛ばして、夕食後の薬だけを服用してください。
逆に、飲み忘れに気がついた時が、本来飲むはずだった時間からあまり時間がたっていなければ、気がついた時に飲んで下さい。
この場合には、その次に飲むまでの間隔が短くなるので、少し遅めに服用して、あまり短い間隔で服用をしないようにすると安全です。
薬は、飲み忘れてもそれほど神経質にならなくても良いものから、できるだけ飲み忘れをしないようにしなければならないものまであります。
ご自分で、自分は忘れっぽいほうだなと思う方は、お薬を受け取る際に、もしも飲み忘れてしまったらどうすればよいか、あらかじめ確認しておくのもよいでしょう。
カレンダーに飲んだかどうかのチェックをする、薬のシートに日付を書き入れておく、市販のお薬ケースを利用するなど、飲み忘れないような工夫もするとよいと思います。

Q 水なしで薬を飲んでもいいですか?

A 薬を飲むのが上手な人はよく、水なしでも飲めるよとおっしゃいますが、お薬を飲むときはコップ1杯ていどの水道水で飲んでください。

最近では水なしで服用できるタイプの錠剤なども出てきていますが、それはごく一部の薬です。多くは水で飲んでいただく必要があります。

では、なぜコップ1杯なのでしょう?

薬は溶けた状態で体に吸収されます。水なしや、水の量が少なすぎると、溶けにくいために充分に吸収されなかったり、場合によっては溶けずにそのまま便の中に出てきてしまうということもあります。
また、水なしで飲むと、食道に引っかかって、食道が炎症を起こし、ただれてしまうようなこともあります。
そのため、私たちは十分な量、コップ1杯程度の水で飲んでくださいとお話しています。

Q 食べ物や飲み物でも薬の効き目が変わることがあるって本当ですか?

A 飲み合わせは薬同士だけで起こるのではありません。

お薬と食べ物との相互作用で有名なのは、血液を固まりにくくするワーファリンという薬と納豆の組み合わせです。
血液が固まる仕組みにはビタミンKがかかわっているのですが、ワーファリンはこのビタミンKの働きを妨害することによって血液が固まらないようにはたらきます。
納豆は納豆菌の働きでビタミンKを作り出すことが知られています。そのため、納豆を食べることでワーファリンの効果が弱められてしまうというわけです。
このほかにも注意していただきたい組み合わせがあります。
牛乳と一部の抗生物質では同時にとることによって、抗生物質の効果が弱められます。
また、グレープフルーツジュースとカルシウム拮抗剤と呼ばれる血圧を下げる薬を一緒に服用すると薬の効果が強く出て、血圧が下がりすぎる場合があります。
薬剤師からの説明や、注意書きを読んで制限のある食品を摂らないよう、気を付けてください。

Q 薬はどんなところに保管したらいい?

A 『冷所保存』と指示されている薬は冷蔵庫に入れましょう。

その際、凍ってしまうと、品質が変わってしまう場合がありますので注意してください。
野菜室や卵ケースなど冷蔵庫の中でもやや温度の高い場所に入れておくのが良いでしょう。
その他の薬は室温で直射日光の当たらない場所に保管してください。
また、患者さまの中には錠剤やカプセルをヒートシールからプチプチ出してばらばらにしてケースなどに入れている方がいますが、光や湿気に弱い薬もありますし、古い薬と新しい薬が混ざってしまうので、このような方法は避けたほうがよいでしょう。
空き缶や100円ショップのプラスチックケースなどを利用するのもよいと思います。
湿気に弱い薬は海苔などについている乾燥剤を一緒に入れておくとよいでしょう。
もう一つ、とても大事なことがあります。
小さなお子さんのいるご家庭では、お子さんの手の届かないところに薬を保管してください。親御さんやおじいちゃんおばあちゃんが薬を飲んでいるのを見て、まねして飲んでしまう、特に赤ちゃんは何でも口に入れてしまうので十分注意して出しっぱなしなどに気を付けてください。
大人には薬でも、赤ちゃんには毒になってしまいます。

Q 薬にも消費期限があるの?

A 軟膏や目薬などの外用薬には製品に使用期限が明記されていますので確認してください。

飲み薬の場合はおおもとの箱には使用期限が記載されていますが、患者さまにお渡しする際には箱から出してしまうので、患者さま自身が使用期限を確認することはできなくなってしまいます。
使用期限はものによって違いますが、短いものは1年くらい、長いものでは5年というものもあります。多くの薬は製造後2、3年で使用期限を設定しています。
同じ薬を長くお飲みの方の中には飲み忘れなどで残ってしまった薬をとっておいている方もいらっしゃると思いますが、
使用期限の切れたものは毒にはならないまでも、品質が変わったり、効果が落ちている場合がありますので、あまり長期間の保存は避けたいものです。
また、風邪をひいたりしてもらった薬を症状が良くなったからと途中でやめて、また具合の悪い時のためにと大事にとっておいている方もいらっしゃるかもしれません。
病院でもらう薬は、その時の患者さま自身の症状に合わせて処方されていますので、余った分をあとで使ったり、家族や知り合いに譲り渡したりすることはよくありません。
先にもらった薬から順に飲む、余ってしまったら病院や薬局で調節してもらう、古い薬は処分するなどしましょう。

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