組織プロフィール

青木病院は昭和45年に埼玉県の北部地域にある本庄市若泉で20床の個人病院から始まりました。その後30床に増床し昭和60年に医療法人柏成会(はくせいかい)として設立許可を得ました。
法人名の由来は、開設者の出身校である本庄高等学校の校章が柏の葉であったことがきっかけとなっています。「柏」には、新芽が出るまでは落葉しないという特長があり、継続性を意味しています。また、「成」は、医療を通じて地域への貢献を成し遂げたいという想いが込められています。
そして、平成14年には3キロ離れた本庄市下野堂へ新築移転しました。その際に47床へと増床しました。診療科目はそれまでの外科、内科、泌尿器科、小児科に加え、整形外科、リハビリテーション科、消化器科を標榜しました。現在では、整形外科、リウマチ科、リハビリテーション科、内科、消化器内科、肝臓内科、呼吸器内科、循環器内科、泌尿器科の9科を標榜し、主に整形外科と内科を中心に外来、入院、手術、リハビリテーション、救急などの診療を行っています。
32年ものあいだ診療を行ってきた地域から移転を決断したのには、ドーナツ化現象により診療圏が変わり、患者さまが求める医療の質や療養環境に応えることが困難になると予想したためであり、また、世代交代の目途が立ったためです。そして、新たな病院をつくるにあたっては、清潔感や静寂性、快適性といった五感に優しい環境づくりにこだわりました。何よりも、より多くの方に良質の医療を提供できる病院にしたいという想いがありました。
移転前からご利用いただいていた患者さまには「これまでと変わらない診療と応対」、新たな患者さまの期待には「十分に時間をかけて説明を行う」ことで支持を得たいと考えていました。
新病院の開院時から予想を上回る多くの患者さまに来院いただきましたが、患者さまの要求も様々であったため、その対応で職員は余裕がなく医療サービスのレベルを統一できない時期が続きました。それを朝礼や運営・管理職会議の定期開催、接遇委員会の活動の活発化、研修制度の確立、満足度調査の実施と結果説明、職員満足度調査、経営質向上プログラムの活用、リーン生産方式(トヨタ生産方式)の導入、人事制度、電子カルテ・予約制の導入などを行うことで以前に比べ少しずつですが改善されてきました。
現在も患者さまの要求や進化する医療技術と専門性に対応するため、様々な職種の雇用を続けており、病院が進むべき方向性を全職員で理解し共有する難しさを実感しています。
しかし、環境変化が著しい現在だからこそ意思統一の重要性を理解することができ、組織は職員を、職員は患者さまを第一に思える環境をつくり上げたいと強く思い、努力することができるようになりました。組織変革は急激に行えないものの、新たな制度や手法の導入に傾倒せずに職員満足度を高める方法を模索しながら、職員、患者さま、社会から愛される病院になりたいと考えています。

組織価値観

病院理念

■患者さまに信頼され満足していただく医療の実践

*当院では移転当初「信頼・満足・共生」を理念としていましたが、より分かりやすさを目指し平成17年に下記の理念に変更し、基本方針を加えました。

基本方針

●患者さまの言葉に耳をかたむけ、十分に時間をかけて分かりやすく説明します。
●知識・技術を高め、患者さまが求める最良の医療を目指します。
●医療・福祉施設と連携をはかり、当院の役割を果たします。

私たちは多角的(ケアミックス、療養、介護)な医療を行うのではなく、急性期・亜急性期の医療を担う病院です。
「クリニックより幅広く大規模病院よりも親切に急性期医療を提供する」ということを不変のコンセプトとし、“高度先進医療”ではなく“先進医療”を提供し続けられる病院でありたいと想っています。
それは、新たな医療へ取り組む姿勢を忘れず、限られた診療科でも患者さま個々の要望に対して的確に対応し、地域の基幹病院と同等の治療が行える体制を整えていくことです。また、各部署の職員がより優れた専門知識・技術を身につけ、全職員が専門職としての自覚・誇りを持ちながら患者さまに接する組織でもあります。
この経営理念を理解し、実現するための理想的な姿を「顧客本位」「社員重視」「独自能力」「社会との調和」の4つの視点からそれぞれ考えてみました。

【顧客本位】

「患者さまの言葉に耳をかたむけ、十分に時間をかけてわかりやすく説明を行います」
○得意分野の医療においては当院で完結する体制を整え研鑚をつむ
○専門外の医療が必要な場合には最適な治療に繋げられるよう情報を収集し連携を深める
○医療の正しい情報・役割を伝え、最善な医療を理解していただく
○快適性を重視した環境を整える
○患者さまを中心とした行動ができる職員を育成する

【社員重視】

「職員はかけがえのない家族です。職員が実感できる成長を愛情をもって支えます」
○職員がロイヤリティーを感じることのできる組織へ成長する
○異なる職種・業務内容を理解し、お互いに敬意を持って接することで、社会で輝く存在として認め合う
○人事制度の内容や仕組みを成熟させ、誰もが納得する公正な評価を実現し、向上心を高める
○専門職としての価値を評価し、周辺医療機関のどこよりも充実した処遇を行う

【独自能力】

「クリニックより幅広く大規模病院より親切に急性期医療を提供します」
○型にはまった対応ではなく、患者さまの要望を叶える医療やサービスを提供する
○内科、整形外科のチーム医療による的確な診断と治療を行う
○患者さまの状態や要求を全職員が共有し、迅速で一貫性を持ったコーディネートをする

【社会との調和】

「医療・福祉施設と連携をはかり、当院の役割を果たします」
○医療機関・福祉施設・自治体・地域住民と連携し、地域全体で医療現場の課題・問題を解決できる機能を構築する
○広報活動(情報発信、イベント)を通して社会生活上必要な存在として認識される
○救急医療を充実させ、安心・安全・健康な地域づくりに貢献する

私たちが考える理想的な姿の達成状況については、患者満足度調査(入院・外来)、職員満足度調査、職員目標達成率、職員定着率、クリニカルインディケーター等の数値を定期的に比較評価し、その結果が前回を上回る努力をし続けます。

顧客認識

1.医療圏

当院の医療圏は埼玉県本庄市を中心とした、北部(西)保健医療圏(本庄市・美里町・神川町・上里町)(以下、医療圏)です。医療圏全体の人口は本庄市7,788万人、上里町3,043万人、神川町1,177万人、美里町1,386万人の計13,394万人です。
この医療圏には、80医療機関(11病院・69診療所)が存在し、病床数1,551床を有するものの、その約59%が療養病床と精神科であり、救命救急や高度先進医療を担う地域の中核となる病院が存在しません。
それは、平成27年救急搬送先医療機関別搬送人員のデータでは約54%が他医療圏へ搬送されている現状にも表れています。
医療圏において中核病院が存在しないことにより、11病院のうち7病院は、ケアミックス病院となっており、救急医療に限らず、小児や周産期といった専門医療の慢性的な不足を生み出しています。

2.お客さまの定義

●患者さまと家族
●地域住民(潜在顧客)、自治体、福祉施設
●診療所の医師、紹介元の病院
●職員と家族

3.お客さまの要求

私たちの患者さまは主に以下のようなことを期待していると考えます。

●的確な診療と治療実績
●安心・安全への真摯な取り組み
●情報の整理と分かりやすさ
●親切で丁寧な対応
●治療環境の快適性

私たちは医療圏で述べた医療環境のなか、お客さまは救急医療、連携(医療・福祉・行政の連携により切れ目ない医療・福祉サービスの提供)、および広報機能(地域の医療・福祉情勢、医療現場の実際等)の充実を求めていると認識しています。
2次・3次救急に限らず、対応が難しい分野についても然るべき医療機関へ継ぐための的確な診断と紹介ができる体制の整備が必要です。
そのためには、診療所・福祉施設・自治体等とのネットワークが構築さえることや、医療提供体制と診療実績や政策、そして現在の潮流を整理し、有益な情報を分かりやすく発信することが期待されていると考えています。
住み慣れた地域で、急性期医療から在宅生活まで切れ目ない医療・福祉サービスを受けるためには、医療・福祉機関の相互理解が推進される環境が強く望まれます。

地域に安心・安全な医療・福祉を提供するために、私たちは以下のことを行っています。

【救急医療】
常勤医の疲弊を考慮して当直を外部の医師に頼っている現実があるため、夜間の救急を受け入れいることは困難ですが、外来診療時間帯においては非常勤医師の雇用を積極的に行うことでその配置を厚くし、可能な限りお受入れができる体制を整えています。
受け入れの可否について分析を行い、二次救急指定病院としての役割を再認識し、意識の強化に繋げてます。

【連  携】
患者さんが最善の医療(患者中心)を受けるために、地域の医療機関の役割分担を明確にし、顔の見えるネットワークを構築することで、切れ目ない医療サービスを提供することです。そのための専門的な窓口となり、関係機関からの信頼を得るための活動を行います。
それぞれの機関に得意な役割、決まった役割(やらなければならない役割)があります。地域に多くある医療・福祉機関の「役割」を把握し、互いの役割を認識しながら患者さんにとって、病院にとって最善な方法を検討します。また、そのための情報収集やマーケティングを行い、切れ目ない医療・福祉サービスの実現を目指しています。

【広  報】
医療に対する正しい知識や情報と理解を得ていただくため、ホームページや院外広報誌の発行、外来待合室にデジタルサイネージを設置、患者さまを対象とした院内健康講座などを行っていました。
平成24年度からは、広報活動の強化のため、ホームページや院外広報誌のリニューアルを行い、現在では地域交流イベント、出張健康講座、院内健康講座の積極的な活動を実施しています。
今後の活動も一方的な情報配信ではなく、地域の方や患者さまからの意見を収集し、機能強化とコンテンツの充実に取り組んで行きます。

4.今後の変化

現在の医療環境としては以下のように変化していくと考えられます。

【社会・経済環境の変化】
・少子高齢化
・疾病構造の変化(急性疾患中心から慢性疾患および生活習慣病へのシフト)
・医療保険財政の逼迫
・国や自治体の財政悪化

【医療制度改革の変化】
・予防医療への取り組み強化
・「病院完結型」から、地域全体で治し支える「地域完結型」への転換
・在宅医療を推進(一般病床の削減)
・高齢者医療制度の見直し

【医療を取り巻く技術の進歩】
・先端医療技術の発達
・IT化の推進

【業界構造の変化】
・公立病院の民営化、運営委託
・強力な病院グループの成長
・病院の医療機能構造の変化

5. 変化によって当院に求められることは

治療技術や機器の発達と情報の氾濫により、医療に対し過度な期待と多様な要求が生まれています。それらは治療(診療)に限らず、医療提供全体にも及び、患者さまの厳しい評価によって病院の淘汰が進んでいくと考えられます。
また、私たちの医療圏では、中核病院が存在せず高度急性期や先進医療を提供できる環境がありません。人口動態からみると、全体的に人口減少の傾向にありますが、減少幅は年々小さくなり、今後もほぼ横ばいで推移していくものと考えられます。しかしながら、年齢三区分別人口割合をみると、年少人口割合、生産年齢人口割合は減少し、老年人口は増加し続けていることから、確実に少子高齢化が進行し、今後ますます医療の必要性が高まることは予想されます。
青木病院は整形外科と内科を中心に診療する病院です。私たちの役割は病気やけがを治す事ばかりでなく、社会や地域の中でどのように生活することが出来るかを真剣に考え、より充実した医療の質とサービスを提供し、安心して治療を受けられる環境づくりを、地域の皆さまに提供していくことだと考えます。

1)治療に対しての高い専門性
整形外科においては加齢によって生ずる「変性疾患」の患者さまが増加してくることが予想されます。今後は「変性疾患」に対する治療の充実と疾患への理解を促す努力が必要と認識しています。また、骨折や靱帯損傷、脱臼などの整形外科領域における急性期医療を24時間365日提供できる体制を整えたいと考えています。
内科においては、かかりつけ医として外来診療では日常的な健康管理を行い、病状が悪化し必要なときは入院診療を行っています。また医師の専門性を最大限に活かせる環境や体制を確立していきたいと考えています。

2)治療以外でのサービスの充実
多種多様かつ的確なサービス要求を実現させるために、患者さまの思いを受け止め行動できる人材の確保と、人間性の高い人材育成が必要だと考えます。

3)発信される情報の正確性と分かりやすさ
安心、信頼して治療を受けていただけるよう情報を整理し、分かりやすく提供できるようIT化の推進や広報機能の充実を図らなければならないと認識しています。

競争認識

クリニックより幅広く医療を提供し、大規模病院のような高度な急性期医療などは提供できないが、小規模病院の特性を活かし、職員一人一人が患者さんと密に接することで、型にはまった医療の提供ではなく、患者さまおよび家族の要望を聞き入れ柔軟に対応し患者満足度を高めています。

1.医療の提供について(診療科・部門の特徴)

1)整形外科

膝関節外科を得意としておりますが、整形外科疾患としては、骨折・脱臼・捻挫等の靭帯損傷など、筋・骨格に関わる外傷全般と、変性疾患(骨の変形に疼痛等を伴う疾患、例えば変形性脊椎症、変形性膝関節症)、リウマチ、痛風、骨粗鬆症の診療をしています。それぞれの疾患や重症度に応じ、薬で症状を緩和することもあれば、観血的治療が必要な場合には、積極的手術療法、その後の早期リハビリテーションの医療提供に取り組んでおり、患者さまに治療方法を十分に説明し、お勧めの治療方法を提示したうえで納得のいただける治療を行なう事を目指しております。

◇膝関節外科
膝関節の痛みや膝が曲がらないなどの症状に対して投薬治療、運動療法を中心としたリハビリの指導を行っています。また膝関節のすり減りや変形の程度により、適切な手術様式を選択しています。痛みを取り除く事により、より早く快適な生活が取り戻せるよう、サポートしています。

2)内科

一般内科はもちろんですが、生活習慣病(高血圧、高脂血症、糖尿病、肥満等)などの慢性疾患の対応も可能です。また当院内科では医師がそれぞれの専門性を活かしながら、いつもやさしく、時には厳しくこれらの問題に取り組んでいます。

◇肝臓内科
日本肝臓学会専門医の認定を受けた医師がおり、B型肝炎、C型肝炎等のウイルス疾患を主体として、その他自己免疫性肝炎、原発性胆汁性胆管炎、脂肪肝、NASH、薬剤性肝障害など、外来で診療できる範囲で診療を行っています。

◇呼吸器内科
高齢化社会の到来とともに、呼吸器疾患は増加の一途をたどり、2011年人口動態統計の結果では、肺炎の死亡数が12万人を超え、脳血管疾患を抜いて死因の第3位となりました。
呼吸器疾患としては,風邪やインフルエンザのように自然に治癒する疾患も多いですが,気管支喘息や肺気腫・肺がん・肺結核のように適切な診断と治療がないと長く患者さんを苦しめたり,手遅れになったり,周辺に病気を蔓延させてしまうこともあります。しかし、呼吸器疾患を専門とする医療機関は多くありません。そのために的確な診断・治療が遅れたり、患者さんが総合病院に集中する傾向があります。
当院の常勤医は、長年にわたり総合病院で呼吸器医として勤務しておりました。その経験から、当院では、専門性の高い外来および入院治療ができ、在宅酸素療法を受けている患者さまや、慢性呼吸器疾患の急性増悪の患者さまなども受け入れ可能であり、高度な治療が必要な時には迅速かつ的確に専門病院への紹介が可能です。
また、外来機能の特徴として、肺年齢の評価が可能です。肺年齢とは、呼吸機能の標準値と比較して、自分の呼吸機能が健全化どうかを示す指標です。肺年齢が実年齢に比べて高ければ、肺機能が低下していることになります。
早期発見のためには、肺機能検査での肺年齢を調べることが必要です。セキ・タンなどの症状が無くても、肺年齢の高い方は是非、禁煙をするべきです(慢性呼吸器疾患の一つとして、肺気腫があり、喫煙との密接な関係が指摘されております)。
治療せず放置しておくと悪化をまねき、酸素ボンベを携行して常に酸素吸入が必要になるなど非常に不便な生活を強いられることになりかねないうえ、経済的損失も大きくなります。
それでも自分で禁煙できない方は、当院の「呼吸器内科(禁煙外来)」をご案内しております。

◇アレルギー科
アレルギーが関連する症状を診療し、主に「喘息」「花粉症」「アレルギ―性鼻炎」「食物及び薬物アレルギー」などを担当しています。舌下免疫治療法やエピペンなどライセンスを取得した専門医がおり、専門性を持った診療を行っています。

3)循環器科

循環器科は、狭心症・心筋梗塞・心不全・不整脈・心臓弁膜症・高血圧・心筋症・先天性心疾患・動脈硬化症・肺高血圧症・大動脈疾患・心臓ペースメーカーを専門に扱っています。狭心症等が疑われ、血管造影などの精密検査が必要な場合は、群馬県済生会前橋病院はじめ、循環器専門科を有する周辺の医療施設へ責任もって引き継いでいます。

4)泌尿器科

前立腺癌などの尿路・性器の悪性腫瘍、その他前立腺肥大症、腎炎、膀胱炎などの炎症性疾患等の診療を行っています。

5)診療協力部門

◇栄養科
栄養科は診療協力部門に属し、患者さま個々にあった食事の提供、栄養サポートを行っています。病院での食事とは、治療の一つであり、楽しみの一つだと思っています。その食事を患者さまに安全に楽しく召し上がっていただけるよう、さまざまな工夫をさせていただいています。月毎の特別献立では松花堂弁当や栄養科スタッフによる手作りの小物やメッセージカードを作成して食事を提供し、目でも楽しんでいただけるように、工夫しています。また、旬の食材、地元の食材を積極的に使用し、既製品も出来るだけ使用せず、「手作り」に力を入れています。選択メニューなどもその一つですが、アレルギーや飲み込みの困難な方には個別対応にも柔軟に対応しています。
平成23年3月よりNST(栄養サポートチーム)を立ち上げました。医師、看護師、薬剤師、事務、理学療法士・管理栄養士の専門スタッフのチームにて患者さまの栄養状態が良くない場合、早期に改善できるよう取り組んでおります。

◇リハビリテーション科
当院のリハビリテーション施設は運動器疾患Ⅰ、脳血管疾患Ⅲの施設基準を取得し、理学療法士8名、作業療法士2名が在籍しています。外来、入院の患者さまが対象になり、運動器疾患を中心にリハビリテーションを提供しています。病床は47床あり、手術翌日から開始し、早期からリハビリテーションを促すことで早期の自宅復帰・社会復帰を目指しています。外来は完全予約制で、身体状況やご本人・ご家族の都合に合わせながらリハビリの頻度を決めて通院してもらっています。主な対象疾患は「骨・関節・靱帯等の整形外科疾患」「脳梗塞や脳出血等の脳血管疾患」「外科的手術又は肺炎等の治療時の安静により生じた廃用症候群」ですが、主に整形外科疾患の割合が多いです。

2.患者満足度について

患者満足度調査は毎年、調査を行い平成27年に調査方法や集計報告をリニューアルしました。調査結果では7割以上の患者さまより高い評価を得ています。


以上のようなことを踏まえ、私たちは地域のニーズにあった専門分野の医療を提供する事により、当地域での他医療機関とは向かうべき方向性が明らかに異なっており競合がないと認識していますが、さらに診療圏を広げ専門性の高い診療を患者さまに提供していきたいと思います。
しかし、経営質向上プログラムを取り組んでいる他医療機関の中には先進的な取り組みを行っている医療機関が多く存在しています。ベンチマーキングをしながら、自院の強みや弱みを分析し理想の病院に近づけるよう努力していきたいと思っています。

経営資源認識

1.ヒト

私たちの最も重要な経営資源は「ヒト」です。常勤や非常勤職員をあわせ現在125名の職員を雇用しています。私たちは、小規模病院ゆえに職員間や患者さまの顔が見えるので、患者さまにとっては親しみやすく、一人ひとりの患者さまと密に接することができます。
病院理念でも「患者さまに信頼され満足していただく医療」と掲げており、毎年実施している患者満足度調査においても職員の対応についても患者さまから「満足」という評価を受けています。
接遇向上の活動として接遇委員会があります。定期的に院内巡視を行う「気づきチェック」や患者さまからの声や職員自らの気づきを記録し、病院全体の問題として共有し、検討・改善する「Cカード」といった活動を行っています。接遇委員会を中心に快適な環境づくりや全職員で質の高い接遇を行うための意識改革ができ、接遇力は上がりました。

1)人事制度
人事制度の目的は「経営への貢献」「職員への動機付け」「仕事の成果と問題意識」「労働意欲の向上」として取り入れています。初年度に立てた病院目標、部署目標から個人目標を立て半期に一度、上司が達成状況を確認し評価します。

2)外部認証
「多様な働き方実践企業」に平成27年8月にゴールド認定されました。この制度は、仕事と子育て等の両立を支援するため、短時間勤務やフレックスタイムなど、複数の働き方を実践している企業等を県が認定するものです。

3)研修
医療職としてふさわしい「品位」「識見」「技術」を備えた職員を養成することを目的とし、病院全体でサポートしています。
月1回以上の院内研修の開催や常勤・非常勤職員の区別なく院外研修(職員60%が参加)に参加できる環境が整っています。研修に参加することにより、他医療機関との交流(情報交換)や自己の成長と組織への貢献に良い影響を与えています。

4)目標管理制度
戦略MAPとバランススコアーカードをもちいて戦略会議を行い、経営層から中間管理職へ、そして一般職員へ理念や基本方針の浸透と、自院の方向性を可視化し、職員一人ひとりが主体性を持って行動できるように説明を行いました。現在では少しずつ進化し、中間管理職や次世代リーダーが大きく育ってきています。

2.モノ

当院は新築移転して14年であり、病院全体が新しく清潔に保たれています。
不安を抱いて来院される患者さまの心が落ち着くように、優しい色合いやデザイン、照明を工夫しています。病室はすべて8㎡以上の広さがあり、ドアや窓ガラスなどにも静寂性を保つための配慮をしています。また、待合室には床暖房を設置するなど院内で快適に過ごせる環境が整備されています。そして平成28年11月にエネルギー効率化と快適性を目的に、照明をLEDに、消費電力を大幅に削減できる空調設備に更新しました。
また、診療の充実のために平成22年3月に医療用画像システム、平成27年2月に電子カルテ(オーダーリングから更新)、平成27年4月にMRI装置を導入しました。これからも医療の質を向上させる医療機器なども導入していく予定です。

3.カネ

年に一度、職員向けに院内にて経営報告会を開催しています、損益計算書、貸借対照表、長期損益推移表などをもちいて財務状況を伝えています。収益構造は入院収入6割、外来収入が4割です。安定した経営を行うためにも、病床稼働率、外来患者増、リハビリテーション拡大など、関連した収益を引き上げていくことが課題と考えています。

4.パートナー

当院の有力なパートナーは以下のとおりです。

◇非常勤医師
外来担当医の46%は非常勤医師の協力で成り立っています。常勤医師の負担軽減や、日中の救急患者さまの対応、専門医の診療が身近に受けられるなど、質の高い医療を安定的に患者さまに提供できることは、当院においてなくてはならないパートナーです。

◇医療・介護連携パートナー
当院の地域医療連携室を通じ、急性期の医療機関から、回復期や維持期の患者さまの受け皿として。また当院の高度医療機器の共同利用や、居宅系施設との連携など、外部医療機関や福祉施設は非常に重要なパートナーであると認識しています。

◇清掃、リネンパートナー
病院建物が立派でも、院内が清潔でなければ患者さまに信頼していただくことはできません。専門業者への委託は、職員の業務負担軽減や、患者さまが快適に過ごせる環境を維持・向上できる技術や専門知識を身に付けた委託業者スタッフさまの協力が必要です。

◇その他のパートナー
人材紹介会社、看護師養成学校(本庄児玉看護専門学校、本庄准看護学校)、事務員養成学校(高崎健康福祉大学、前橋中央情報経理専門学校)、栄養士養成学校(埼玉栄養専門学校)、IT・事務機パートナー、委託検査パートナー、医療廃棄物処理パートナー、給食食材卸パートナーなど小規模病院だからこそできる良好な関係性を構築しています。

5. 医療資源

1)外来
平成24年10月より、大学からの医師派遣協力によって、外来の整形外科診療枠が増え、外来患者さまの医療提供が充実しました。
今までは外来患者さまの診療に追われ、時には外科系の救急患者さまをお断りしなければならない状況がありましたが、外来担当医が増えたことにより、救急患者さまの受入も対応できるようになり、行政や地域のニーズにも応えられる体制が整ってきました。今後は内科や整形外科の専門領域を対外的にアピールし、患者さまの医療圏を広げていきます。

2)入院
看護基準においては、10対1を届けていますが患者さまに質の高い看護が提供でき、ゆとりを持って患者さまに対応することにより、型にはまった対応ではなく患者さまや家族の要望に応える医療やサービスを実践するため、またスタッフのワークライフバランスや教育なども考え7対1の看護配置をしています。また、整形外科と内科常勤医がおり、複数科での治療と合併症への対応が可能です。
平成24年4月より、入院機能の拡大により、地域包括ケア病床(当時名称は亜急性期病床)を設け、大規模病院からのリハビリ患者さまの受け入れを強化し、リハビリ患者さまの1日でも早い社会復帰をサポートしています。地域包括ケア病床の稼動によって、一般病床の平均在院日数も短縮され、経営的にも安定し、後方支援病床としてなくてはならない病床となりました。
地域医療連携室の人員強化も同時に行い、入院患者さまの受け入れから在宅復帰までの手順が確立され、紹介率・在宅復帰率・平均在院日数など結果を意識した退院調整を行っています。

6. 経営資源に大きな影響を与える変化

高い資質(専門性)を有する人材を厳選して雇用する機会と必要性が増えると考えています。病院全体でスキルアップするという意識や姿勢を共有しなければなりません。また、職員全員で良好なコミュニケーションを図ろうという意識が求められます。

医療安全認識

医療安全管理の考え方の基本は、以下のように考えます。

・人は誰でも間違える
・「個人」ではなく「システム」と捉える
・対策と分析手段を他産業から学ぶ
・患者さまの安全向上
・医療の質と安全はコインの表裏にある

当院でも他者のインシデントやアクシデントを教訓とし、重大な事故を未然に防止するための仕組みの構築を重視し取り組んでいます。
また、院内で発生したインシデント症例と新聞・雑誌・インターネット上の医療過誤に関する最新情報を共有するために、院内スタッフ専用掲示板に定期的に掲示し啓蒙活動を行っています。

1)患者の正しい識別
外来受診票を受診毎に発行し、診察室や検査室に入室する際に提示していただく仕組みや、手術患者や認知症患者等自分の氏名を名乗れない入院患者を対象としたリストバンドの活用で誤認防止を行っています。

2)ハイリスク治療薬の使用
ハイリスク薬に関わらず、名称や包装が類似している薬剤の不採用、誤投与防止策がされた薬剤の採用、他施設での誤投薬事例について医師または薬剤師から看護師への講習や指導を行っています。

3)正しい手術
◇手術部位や左右間違いについて
リストバンド使用や手術前日の執刀医による患肢へのマーキングを実施しています。
◇ガーゼや器械の体内置忘れについて
閉創前のガーゼカウント、手術終了時の器械カウント、術後X-Pの実施にて置忘れ防止に努めています。

4)情報共有
診断や治療の的確性を確認するために、第三者(放射線科医・合同カンファレンス)からの意見の聴取を行っています。また、非常勤当直医への確実な引き継ぎを行うことが重要と認識しています。

5)医療安全の範囲と医療の質の関係
◇医療安全と質について(当院の課題も含む)
現在も医療安全に関する統計学的数値は特に公立病院が中心となって公表する方向にあります。統計学的数値の公表が次第に広まった場合、一般の人達は病院の判断基準(質)の一部として捉えることは必至です。ミスを未然に防ぐための対応(インシデント・アクシデント報告)が活発に行われた結果として件数が増加した事をマスメディアが医療ミス増加と報道することで、医療不信へとつながっている実態があると考えます。
インシデントの抽出は多くの医療従事者の経験を報告することにより自らの経験と置き換え、対策を練ることで重大な医療事故が起こることを未然に防ぐことを目的としており、数値を公表するだけでなくデータをどのように分析し取組んでいるかを同時に発信する事が重要であると認識しています。また、今後の課題として安全文化の醸成のため、チーム医療の推進、安全教育の実施、他職種による事故分析の実施にも継続的に取り組んでいきたいと考えています。

変革認識

今後の変化で述べたように、少子高齢化や疾病構造の変化、先端医療技術の発達、IT化の推進などにより医療への要求も多様化してくることは間違ありません。そのことにより「健康」「生命」に対する意識の変化が予想されます。
しかし、そのような変化のなかでも、患者さまは「安心」「信頼」して医療を受けたいという本質は変わらないと考えます。そして、その本質は私たちが掲げる理念である「信頼され満足していただく医療」と合致しています。
安心・信頼の医療を実践するためには、患者さまの心に寄り添うサービス(ホスピタリティ)を追求しなければなりません。それには一人ひとりが考え行動できる感性豊かな職員が必要です。私たちは“ヒト”こそ財産であると認識し、財産である“ヒト”がお互いに幸せを分かち合える環境を組織としてつくり上げたいと思います。
何よりもまず、職員の満足感や充実感を向上させたいと考えています。これは、職員満足なくして患者満足はなく、患者満足なくして社会満足なしという認識に基づくものです。
患者さまに満足・感動していただける病院へと成長することで、自然と患者数が増え、病院の収益性が向上し健全な経営も可能となります。収益から得られた経営資源(カネ)は昇給や賞与、働きやすい職場づくりに投資することにより、さらなる職員満足度の向上も実現できます。
また、長期的には学会認定施設取得への取り組みや、医師雇用による専門医療の推進などの目標がありますが、まずは医療の根本である職員の幸せを追求できるようにと考えます。

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